西区・神出町は、稲作を中心とした農業が盛んな地域で、美しくのどかな田園風景が広がっています。町のシンボルとも言える雌岡山から眺めた田園風景は「神戸らしい眺望景観10選」にも選ばれています。post_604
現在、町を南北に縦断する形で国道175号神出バイパスの整備が進められています。平成24年に開通が予定されていますが、開通により町は非常に便利になるものと期待される反面、通過するだけの町になってしまわないか、どこにでもあるような建物が立ち並び、美しい原風景が失われてしまうのではないか、という心配もあります。
そこで、平成21年4月、神出町自治協議会は「まち・里づくり部会」を立ち上げ、地域の将来像を考えるための取り組みを始めました。まず、地域の現状を認識するため、美しい原風景写真展やアンケート調査を実施し、神出の良いところや課題を抽出しました。美しい農村景観や昔ながらの伝統文化が継承されているなど良い面がある一方、失われつつある原風景、少子高齢化、農業の衰退などの地域課題が浮き彫りになりました。
将来像の検討を進めるにあたっては、憩いの場となっているため池の草刈り、ハイキングルートの復活に向けた探索、町の行事をまとめた「歳時記カレンダー」の発行など、目に見える実践的な活動を並行して行ってきたほか、まちづくりに子どもたちの声も採り入れようと、神出小学校において「神出っ子サミット」を開催しました。
その結果「元気でにぎわいのある水と緑のまち・里づくり」、「美しい原風景を守り育てるまち・里づくり」、「安全・安心・快適なまち・里づくり」を3つの目標として定めた上で、その実現に向け、神戸市とパートナーシップ協定を締結し、地域と行政との協働で取り組んでいくことになりました。
今年3月の協定締結にあたっては、神出町自治協議会の他、消防団、老人クラブ、民生委員・児童委員協議会など神出町にある様々な地域団体で構成される「神出ふれあいのまちづくり協議会」が締結主体となりました。これによって、今後、地域内の様々な団体が連携・協力し、地域全体で取り組みが進められていくことになります。
協定締結後、ふれあいのまちづくり協議会の中に、パートナーシップ協定の3つの目標に対応した3つの部会「にぎわい創出部会」「原風景保全・育成部会」「安全・安心推進部会」が設置され、具体的な検討・実践の動きが既に始まっています。
神出ふれあいのまちづくり協議会委員長の西馬紀雄さん
「神出には雌岡山をはじめ、良い所が数多くあります。神出バイパスの開通によって、便利になる反面、いろいろな問題も起こってくると思います。良い所は守り、より多くの人に知ってもらえるように、また、町の課題については、町全体で一緒に考えて、行政とも協力して取り組んでいくことで、子どもたちのためにも、未来あるまちにしていきたいと思っています。」