北区の北部に位置する大沢町は、主な産業は農業で、光山寺山のふもとに広がる棚田風景は「神戸らしい眺望景観10選」に選ばれています。また、地元の農産物の直売所や観光農園、神戸市立フルーツ・フラワーパークなど魅力的なスポットが数多くあります。post_603
大沢町では、人口の減少や少子高齢化、休耕地の増加、さらには公共交通機関の不足など町の活力低下という問題に向き合っています。そこで、平成12年7月に大沢町コンパクトタウン研究会を立ち上げ、様々な活動を通じて、課題の解決に向けた取り組みを行ってきました。
都市住民との交流を図るために、休耕田を活用した「どろんこバレーボール大会」や「ポイントラリー・エコハイキング」の実施、町の情報発信のためのホームページの開設、農産物の直売所の充実などを行ってきました。特に、農業に興味を持ってもらい大沢町に住む人を増やすことを目的として始まった「大沢農業塾」では、一昨年参加された方が大沢町に移住し、農業を始めています。さらに、高齢化の進む町の公共交通手段を確保するために交通アンケートの実施や路線バス存続に関する取り組みなども行ってきました。
しかしながら、社会情勢の変化などに伴う新たな課題が出てきました。今後大沢町が目指していくまちづくりについて、地域と行政とで検討・議論を重ねた結果、これまでの10年間の取り組みを活かし、「住みたい、住んで良かった、住み続けたい大沢町」の実現のため、地域と行政との協働で地域課題の解決に取り組んでいくパートナーシップ協定を締結することになりました。
今年3月の協定締結後、すでに2回のワークショップを開催し、①都市と農村との交流促進、②大沢産農作物の認知拡大、③住める住宅の確保と改善、④学びの環境支援、⑤路線バス利用促進と補完、というパートナーシップ協定の5つの基本方針に基づく具体的な行動計画の作成を進めています。
今後は、具体的な活動を実行しながら、大沢町の魅力や資源を活かしたまちづくりを進めていくため、多くの住民の参画を呼びかけていくことにしています。
また、平成23年度パートナーシップ活動助成特別募集(ソーシャルビジネスによる社会的課題解決のとりくみ)に提案が採択され、まちづくりの拠点となる地域事務局の設置に向けて取り組んでいこうとしています。
大沢町自治連合会会長の北本義利さん
「町のみなさんの熱心なご議論、アンケートでの数多くの貴重なご意見をいただきながら、神戸市とパートナーシップ協定を締結することができました。ただ、これが地域課題の解決の取り組みへのスタートであり、今後も、夢をもって、町のみなさんの協力を得ながら、町全体で取り組んでいきたいと思います。」
大沢町コンパクトタウン研究会座長の藤本喜郎さん
「大沢町ではこれまでも熱心にまちづくりに取り組んできて、それぞれに実績を残してきていますが、人口減少と社会情勢の急激な変化もあり、このままでは町がどうなっていくのか、という危機感があります。パートナーシップ協定による取り組みで、今後、1つでも2つでも、目に見える成果をあげていければと思っています。」