NPO法人 神戸定住外国人支援センターは、震災後に神戸を中心に活動を続けていた「兵庫県定住外国人生活復興センター」と「被災ベトナム人救援連絡会」が一つになり、97年2月に発足しました。震災後の救援中心から日常的な生活支援へと活動の内容も変わっていき、これまで在日コリアン高齢者の居場所づくり(デイサービスセンター「ハナの会」)や定住外国人児童の学習支援などを展開してきました。
そして、この7月から神戸市と協力して「介護保険利用のためのコミュニケーション・サポーター派遣」がスタートしました。これはセンターのこれまでの活動の延長線上として、市に働きかけて実現したものです。
post_173神戸市には在日韓国・朝鮮人をはじめ約4万2千人の在日外国人が生活しており、介護保険の受給資格(65歳以上)を持つ人は5千6百人ですが、認定を受けているのは2割程度です。
センター理事長の金宣吉(キム・ソンギル)さんは、「高齢化や核家族化といった要因に加え、神戸の場合は震災によってそれまでのコミュニティが壊され、分散・孤立化を余儀なくされたことが大きい。とりわけ高齢の単身女性は、日本語を話したり聞いたりできても読み書きの教育を受けることができなかったため、制度のあることすら知らない人が多いのが実態です。」
「通訳ではありません。歴史的な経過による壁があり、私たち在日三世でも、一世の年代の人たちの思いや気持ちまで十分理解するのは難しい。その苦労を間近で見て育った二世の人だから相手の立場になることができ、サポーターとして最適だと考えています。その人材を私たちは活動を通じて知っているし、その点に行政と協働する意義があります。」と話してくれました。
派遣は始まったばかりですが、これまで社会をともに築き、ともに支えている人たちが、制度を利用することに不公平があってはならない、この神戸の地に豊かな多文化社会を実現しようとの強い気持ちが伝わってきました。
